一棟マンションより少額で投資を始められるワンルームマンション投資。不動産会社の「安定して家賃収入を得られて老後の備えになる」「保険代わりになる」という営業トークを鵜呑みにしてワンルームマンション投資を始めたものの、マイナス収支が続き、好転する見込みもなく、もうやめたいと考えている投資家も多いでしょう。
そこで本記事では、ワンルームマンション投資を途中でやめたい投資家向けに、やめるべきタイミング、手放す際に知っておかないと損をする注意点を解説します。ワンルームマンション投資に失敗した方は、ぜひ参考にしてください。
詐欺まがいの買取営業が急増中！
近年、売買契約の違約金を狙った詐欺的な買取営業が急増しています！
媒介契約のつもりが売買契約を締結させられ、解約を求めると数百万円もの高額な違約金を請求する、というもの。こういったリスクを回避するには買取業者に買い取ってもらう方が良いでしょう。
ただ買取業者も様々で、下記のような営業文句には注意が必要です。
- あなたの物件を3330万円で買いたい人がいます(購入価格2,500万円)
- 法人ですでに同じマンションの別の部屋を3100万円で購入された方があなたの部屋も欲しいと懇願しています
こういった、不動産オーナーがつい目を止めてしまうような内容の買取DMは物件オーナーには多く届きます。
また、DM、電話、訪問、インターネット広告など・・・熱心に買取営業をしている不動産会社には絶対売ってはいけません。
本当に良い買取業者は口コミで次々に顧客が舞い込むもの。営業しないと顧客が見つからない時点で、詐欺ではないにしても、そうした会社に売却するメリットがありません。
電話営業してくる会社と、口コミで人気の不動産業者、どちらにあなたの不動産を売却したいですか？
私もワンルームマンションを売却した経験があります。今の時代不動産を保有していると非常にキケンですから。。
ちなみに当ブログに相談いただいた方からもらったDMがこちらです。
3,330万円で現金即決！
と書いていますが、管理人が信用できる業者に問い合わせたところ、査定結果は2,500万円でした。。こういうDMは実際の金額よりも大幅に高い金額で送ってくるものです。実際に問い合わせると色々理由つけられて金額下げられるでしょうね。
買取のDMなんてそんなモンです。鵜呑みにすると痛い目に遭います。
ワンルームマンション投資をやめるべきタイミング
次のポイントに当てはまるワンルームマンション投資は、いますぐにやめるべきです。
毎月赤字になっている
毎月の収支が赤字のワンルームマンション投資は、今すぐにでもやめるべきです。保有期間が長くなるほど累積赤字は膨らんでしまいます。
赤字を補填するために無理な借り入れを行えば、さらなるリスクを抱えてしまうことになります。こうした状況においては、取り返しのつかないことになる前に、早めに損切り(売却)を検討することが重要です。
サブリース契約になっている
サブリース契約は、空室でも家賃収入が保証される点をメリットとして、安易に契約してしまいがちです。
しかしサブリースは、不動産会社の判断で家賃を下げることのできる契約であり、常にキャッシュフローが悪化するリスクがつきまといます。
そもそもサブリースでは、敷金や礼金が受け取れない点や、管理手数料が一般管理より高い点などから、ただでさえ収益性が低下します。保有し続けてもキャッシュフローは悪化するばかりですから、早期に撤退すべきでしょう。
もちろんサブリースの解約もほぼ不可能です。できたとしても高額の違約金（数百万円ほど）を請求されますから、どちらにしても売却するしか道はありません。
節税目的で始めた
ワンルームマンション投資を節税目的で始めた場合も、早めの処分を検討したほうがいいでしょう。
元利均等方式のローン返済では初期の赤字幅が大きくなるため、最初のうちは節税効果が大きく感じるかもしれません。しかし、年々支払利息は減少していき、ある程度（数年ほどで）のタイミングで課税所得のほうが大きくなり、かえって税負担は増えます。
そもそも不動産投資で得られる節税効果自体、限定的なものです。一定の年収が無ければ得られる効果もたかがしれているので、税負担が増える前に手放すのが賢明です。
老後の備えで始めた
老後の備えとしてワンルームマンション投資を始めた方も、なるべく早く撤退を検討しましょう。
物件は確実に老朽化していくため、将来的な空室リスクは高まる一方です。35年ローンを組んだとして、そんな先まで入居者が付く保証はありません。
老朽化した物件は賃貸需要が低下し、賃料が下がるリスクも高まります。当初予定していた収入が確保できなくなれば、持ち出しが発生する可能性も出てくるでしょう。そうなれば老後の備えどころか、大きな悩みの種になってしまいます。
ワンルームマンション投資を途中でやめるときの注意点
ワンルームマンション投資を途中でやめて売却しようと考えたとき、事前に確認しておくべき注意点を解説します。
仲介で売却する場合は費用がかかる
まず注意したいことは、投資マンションを売却する際には費用がかかるということです。かかる手数料・費用は以下の通りです。
- 仲介手数料（仲介の場合）
- 印紙税
- 登録免許税
- 司法書士への報酬
- 譲渡所得税
- ローンの一括返済にかかる費用
かかる費用は売買代金にもよります。例えば仲介手数料は、売却金額が400万円超の場合、「売却金額（税抜）×3％+6万円＋消費税」です。1500万円で売却した場合、最大で約56万円の仲介手数料が発生することになります。
想定以上の費用が発生して、売却代金で賄えなかったという事態にならないよう、計画的に資金を用意しておく必要があります。
ローンの残債は売却時に完済しなければならない
ローンを組んでワンルームマンションを購入した場合、残債を完済しなければ売却できません。
これは、ローンを完済しないと抵当権を抹消できないためです。
もし売却額が残債に満たない場合（いわゆるオーバーローン）は、不足額を自己資金で補う必要があります。
自己資金で補えなければ別途フリーローンを組むほか、場合によって任意売却も検討しなければいけません。
サブリースは売れない可能性がある
サブリース契約を結んだ物件の場合、売却自体できない可能性がある点にも注意が必要です。
サブリース契約はオーナーが貸主、不動産会社が借主となる賃貸契約を結ぶため、一般的な賃貸契約と同じく借地借家法が適用されます。借地借家法では借主（サブリースでは不動産会社）が保護されるので、貸主（オーナー）都合で解除するためには正当事由が必要です。「売却するため」というのは正当事由として認められないので、解約自体ができないか、できたとしても違約金が発生します。
ではサブリースを解約せずに売ればいいかというと、これもけっこう難しいです。できたとしても、希望通りの値段で買い手がつくことはまずないでしょう。サブリース物件は管理手数料が高いため一般管理物件より売却額が低く設定されますし、恒常的な家賃の見直しリスクなどもあることから敬遠されるためです。
サブリース契約を締結している場合、売却しようとしてもなかなか売れず、解約しようと思っても違約金が発生するということを認識しておきましょう。
損切りを覚悟して受け入れる
どんなに「今すぐ売却すべき」と言われても、なかなか受け入れられるものではないと思います。実際に自分の所有物件を売却するときには、少しでも高値がつくことを期待するのは当然です。
それでも、投資用マンションを売却する上で高望みはやめておきましょう。利益を期待したり、損を避けようとしたりして売却のタイミングが遅れれば、かえって損失は膨らむばかりです。機会損失を考慮しましょう！
損切りを躊躇すれば、その赤字は1日ずつ膨らんでいくことを認識してください。
投資マンションの売却なら買取を依頼しよう
投資マンションの処分は、不動産会社への買取依頼が迅速かつ確実です。
仲介による売却も方法として一般的ですが、仲介は以下のようなトラブルになる可能性が高く、基本的におすすめできません。
- 売れる見込みのない査定価格をつける「高預かり」をされ、売れないからと価格を下げられてしまう
- 媒介契約のつもりが契約日を空欄にした売買契約を締結され、違約金を騙し取る違約金詐欺にあう
- 高値で買い取った後、物件にイチャモンをつけて損害賠償請求をされる
- 手数料目当ての「囲い込み」により、1,000万円単位で価格を下げられる
これに対し、買取の場合は不動産会社が買主となります。査定依頼から売買契約、代金受領までの一連の流れをすべて不動産会社に任せられて、非常にシンプルです。
- 不動産会社に査定を申し込む
- 査定結果を受け取る
- 売却を決めたら、必要書類を準備して売買契約を結ぶ
- 指定の口座に買取代金が振り込まれる
査定金額に納得でき、契約が滞りなく進めばかなり早期に代金を受け取れるので、現金化を急ぐ状況でも便利です。
投資マンションを早く手放したい方にとって、不動産売却に関する知識が豊富でなくてもスムーズに売却でき、確実に現金化できる買取は最善の選択肢といえます。
まとめ：ワンルームマンション投資は信頼できる買取業者を見つけて一刻も早く辞めるべき
安定した家賃収入、保険代わりなどの営業トークで始めてしまう人が多いワンルームマンション投資ですが、実際のところ、投資資金を回収できずに赤字経営になり、苦しむ投資家が後を絶ちません。
今ワンルームマンション投資を行っているのであれば、赤字が膨らんで身動きが取れなくなる前に売却をするべきです。
また、投資マンションを売却する際には、仲介よりも買取を依頼することをオススメします。ワンルームマンションを手放すなら時間との勝負になるため、早く現金化できトラブルも少ない買取を選択しましょう。
物件を購入した以上、あなたはすでにババを引いてしまっています。損失がこれ以上膨らむ前に、できるだけ早く手放して肩の荷を下ろすことを考えましょう。
ワンルームマンションは絶対にやってはいけない投資です。もし今ワンルームマンションをお持ちなら、損切りしてでも手放してください。
ワンルームマンションは月々の手出しがマイナスである上に、資産価値も老朽化と共に下がっていきます。少しでも早く売却することがダメージを最小限に抑える最適解です。
私も持っていたワンルームマンションは手放しました。もちろん数百万円のローン残債が残り、家族からお金を借りて完済しました。それでも持ち続けるよりは良い解決策だったと今でも確信しています。
もし今持っているワンルームマンションで、月々の手出しが発生しているなら、今すぐにでも売却してください！ただ売却先もキチンと選ばないと詐欺にあってしまう可能性があります。。
もし売却でわからないことや相談したいことがあったら、LINEで相談に乗ってますよ。
