不動産売却

サブリース解除は弁護士に依頼する必要はない?自分で解決する方法を解説

一定の家賃収入を得られる、煩雑な管理業務を任せられる、入居者とのやり取りを直接行わなくて済む…このような営業トークで投資用不動産のサブリース契約を迫られたオーナーも多いでしょう。

しかしながら、サブリース契約はオーナーが非常に不利になる契約で、勝手に家賃を下げられる、解約したくても解約できないなど、さまざまなトラブルから問題視されています。

そこで今回は、非常に難しいサブリースの解除について、弁護士を依頼すべきなのか、また自分で解決するにはどうしたらよいのかを、実際にサブリース解除した経験を踏まえて解説します。

サブリース解除が必要になる理由

まず大前提として、なぜサブリースを解除する必要に迫られるのか、その理由から見ていきましょう。

家賃引き下げによる収益減

サブリース解除が必要になる1つ目の理由は、家賃引き下げによる収益減です。

サブリース契約の最大の謳い文句は「空室リスクを避けて安定した家賃収入が得られる」というもの。この謳い文句は一見すると、半永久的に家賃を保証してくれるように思えますが、契約書には「定期的に家賃を見直す」という条項が含まれているのが一般的です。

サブリース契約はただでさえ一般管理に比べて手数料が高く、赤字経営になることも珍しくありません。そんな中で家賃の見直しにより収益が減れば、いよいよ経営が立ち行かなくなるのも無理はない、というわけです。

売りたい価格で売却できない

サブリース契約の不動産は、売却したくてもなかなか思ったような値で売れません。近年は家賃引き下げよりも、むしろこれが理由でサブリースの解除を考え始めたオーナーも多いでしょう。

不動産の売却額は賃料から決まります。仮に利回り4%で設定する場合、月額賃料×12ヶ月 ÷4%という計算になります。

次の2パターンで売却額を計算してみましょう。

  • サブリースあり(賃料の20%):2,400万円
  • サブリースなし(賃料の5%):2,850万円
    ※一般管理5%、サブリース管理20%の手数料と想定

家賃10万円、利回り4%の設定で同じ物件を一般管理とサブリースで比較すると、450万円も違うのです。

もちろん査定結果に満足がいかないからといって、高値で買ってくれる人を探し続けることはできますが、なかなか不利な状況に追い込まれることは目に見えています。

サブリース契約は解除が難しい

サブリースを解約する必要に迫られる理由は前述のとおりですが、サブリースは解除しようと思ってもそう簡単に解除できません。

難しい理由は、期間内解約であっても、借地借家法により、借り手を追い出すことはできないため。借地借家法は本来、弱い立場である借り手を保護するための法律で、貸し手の都合で借り手が理不尽な契約に従わされないようにするためのものです。

サブリース契約ではこれを逆手にとって「オーナーが貸し手、サブリース会社が借り手」の契約を結びます。法律上は貸し手であるオーナーが弱い立場になるため、サブリース解除は勝ち目が薄いのです。

サブリース解除は弁護士に依頼すべき?

サブリース契約の解除は一筋縄ではいかないことが多いですが、そもそも弁護士に依頼すべきなのでしょうか。以下では、サブリース契約の解除を弁護士に依頼すべきかどうか解説します。

普通の弁護士は受任してくれない

前述の通り、サブリース契約では、借り手である不動産会社が借地借家法で守られるため、貸し手は弱い立場になります。そのため、弁護士は勝てない仕事はやりたがらないので門前払いされるか、もし話を聞いてくれたとしても、着手金だけとって「解約できませんでした」というケースも少なくないのです。

法律の専門家からみてもサブリースは厄介な契約ということですね。

弁護士の中でもサブリース契約関係に経験豊富な弁護士を見つける必要がある

サブリース契約は一般的な賃貸契約とは異なり、特有の複雑な法的要素が絡んできます。そのため、弁護士の中でもサブリース契約に特化した専門家を見つけることが重要です。ところが、こうした専門家は少なく、見つけるのが難しいのが現実です。

信頼できる弁護士を見つけるためには口コミや実績を確認し、十分な調査を行う必要がありますが、インターネットだけで得られる情報ではそれもままなりません。

経験豊富な弁護士に依頼できなかった場合、いたずらに時間を浪費するだけで、結局解約がうまくいかない可能性もあります。解約ができたとしても、時間がかかればその分損失は膨らみますから、弁護士への依頼費用も含めて、取り返しのつかない赤字になりかねません。

内容によっては弁護士に依頼するほどの内容でない場合も多い

サブリース契約の内容によっては、そもそも弁護士に依頼するほどの内容でない場合も多いです。

サブリース契約書には、条文や特約事項に解約について記載されているのが一般的です。解約については通常、「期間内解約」と「途中での解約は不可」の2パターンがありますが、「期間内解約」であれば規定の期間前に解約通知書で解約する旨を通知するか、違約金を支払えばすぐに解約することが可能です。この場合はわざわざ弁護士に依頼するまでもないでしょう。

また、普段から入金の遅れや漏れがあるなど、不動産会社側に明らかな落ち度があるとそれが正当事由として認められる可能性が高く、この場合もオーナーが有利です。

私は費用対効果を考えてサブリースは解約せず売却して損切りしました。

実は私自身も、自分で自分の首を絞めてサブリースで苦しめられた一人。

サブリース契約で毎月2万円の手出しがあったため、どうにか解約して収支を改善しようと必死になって行動しました。しかし、借地借家法という法律に阻まれ、解約ができませんでした。一応ダメ元で不動産会社にも何度か交渉を持ちかけましたが、最初はもちろん門前払い。

3度目の交渉でやっと返事がありましたが、違約金で2年分の家賃を支払えと言われ断念。

ただ、売却先として、優良なワンルームマンション投資会社との出会いがあり、損切りにはなりましたが、物件を買い取ってもらいました。

損切りは痛手でしたが、毎月の手出しがずっと続くことを考えると今の方が心はスッキリしています。

一般的なサブリースの解除方法

私はできませんでしが、サブリースの解除方法の一般的な流れをご説明します。

契約書面を確かめる

サブリースを解約しようと思ったら、まず確認するべきなのが契約書面です。表紙に「マスターリース契約書」「一括賃借契約書」「サブリース原賃貸借契約書」などと記載されているのが、サブリースの契約書です。前提として、解約に関する項目が契約書に記載されていれば、解約自体は可能です。

一般的に、サブリースの契約書には解約の告知期限(貸主であるオーナーが借主であるサブリース業者に解約する旨を伝える期限)と違約金の内容が記載されています。

告知期限は6ヶ月~1年前、違約金は賃料の3ヶ月~6ヶ月で設定していることが多くあります。告知期限や違約金は法律で決められたルールがないため、これより多額の違約金を支払わないと解約できないケースも珍しくありません。

内容証明郵便で解約通知書を送る

解約する意思が固まったら、解約通知書を作成します。解約通知書には、以下の内容を記載する必要があります。

  • 借主のサブリース業者の名称
  • 契約書第〇条に基づく解約通知であること
  • 対象となる物件
  • 契約期間・契約終了予定日
  • 賃貸人の住所・氏名・捺印
  • 解約通知日

解約通知書に決められたフォーマットはありませんが、公益社団法人全日本不動産協会がテンプレートを無料で公開しているので、参考にしてみると良いでしょう。

参照:公益社団法人全日本不動産協会「貸室賃貸借契約(サブリース)終了についての通知」

解約通知書は必ず内容証明郵便で送ります。契約を解除する場合には、原則として解除の意思表示をすることが求められます。内容証明郵便を用いることで、解除の意思表示やその意思表示をした日を証明できるようになるためです。

さらに通知書がサブリース業者に届いた日を確認することもでき、もし返答がない場合も受け取っているのか、それとも受け取り自体を拒否しているのかが分かるため対応を検討することができます。

サブリース会社と交渉する

解約通知書を送付したら、サブリース業者に届いているかを確認します。

このとき、解約通知書が受け入れられない可能性もあります。サブリース業者と解約の合意に至らない場合は、交渉を行います。違約金に追加し立退き料を支払い、お金で解決するのが一般的です。

交渉が難航する場合、あまりにも高い違約金や立退料を請求された場合などは、裁判所など法的機関に仲裁を依頼する必要もあります。

まとめ

不動産会社は「安定した家賃収入を得られる」「管理の手間がかからない」とメリットばかり強調するサブリース契約ですが、実際は徐々に家賃が減額されキャッシュフローが悪化し、売却しようと思っても解約できず、売っても売らなくても大きく損をするという最悪の状況に陥ります。

サブリースに絡め取られた時点で、負けはほぼ確定です。持ち続けても毎月マイナス収支である上に、解約しようとしても数百万円単位の違約金を求められるので、売却してしまった方が確実にいいでしょう。

不動産投資自体、もう厳しい投資なので、早く損切りして心の重荷を下した方がいいですよ。

今回の記事で解説した通り、手出しなしのサブリース解除はほぼ不可能です。では手出しをしてまで解除する必要があるかというと、それもNOだと思います。

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